中部地方の写真
エリア | 都道府県 |
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中部地方 |
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★新潟県
県内全域日本海側気候で豪雪地帯(一部特別豪雪地帯)であり、山間部は世界有数の豪雪地帯となっている。 特に津南町や十日町市、妙高市周辺で積雪が多い。しかし日本海の暖流(対馬海流)の影響で 緯度の割には冬の気温が高く、日照時間が少ないために放射冷却が起こりにくく、朝晩はあまり冷え込まない。 そのため降る雪は水分が多く、重たい性質である。
一方、新潟市などの沿岸部の積雪はそれほどでもなく、特に近年は温暖化の影響で積雪量が減少している。 夏はフェーン現象の影響で、気温が上がりやすく 湿度も高くて蒸し暑い。特に糸魚川市は、日本国内の最低気温の最高記録である30.8°Cを観測しており、 熱帯夜が非常に多い場所として知られている。海洋性気候である佐渡島は、冬は暖かく、雪よりも雨の日が多いほどである。
★富山県
富山県は、四方を海と山脈で区切られた越中国と領域を同じくする。 東の新潟県との県境は難所親不知として知られる。長野県との県境には北アルプスが聳える。 日本海側気候であり、県内全域が豪雪地帯(一部地域は特別豪雪地帯)に指定されている。 夏はフェーン現象の影響で気温が上がり、高温多湿。標高の高い南部の山岳地帯は亜寒帯湿潤気候に 属し寒さが厳しい。特に立山連峰は世界有数の豪雪地帯であり、立山および剱岳周辺には、 日本では唯一の現存する氷河が確認されている。
県の中部には、概ね複数の河川が形作った沖積平野の富山平野があり、 山麓部には複数の川の扇状地が重なり合ってできた「複合扇状地」が見られる。
★長野県
長野県は内陸に位置するため、概ね内陸性気候だが、南北に長く、各都市の標高が異なり、 さらに山脈や盆地の形状などの気候修飾を受けるため、同じ県内であっても気候の違いがあるものの、 全体的に冬の冷え込みは他の内陸県と比較しても厳しい。また夏は、長野市や松本市などの 盆地部においては日中の気温は東京とほとんど変わらず、時には猛暑日になることもあるが、 朝晩は涼しく、熱帯夜の発生する日は皆無に等しい。
軽井沢、信濃町、志賀高原、菅平高原、八ヶ岳山麓、開田高原、野辺山高原、上高地などの 標高が高い地域は、気候区分では亜寒帯湿潤気候 (Df) (一部の地域はツンドラ気候)であり、 通年で北海道なみの気候であり北極圏並みの寒さになっている地域もある。 ほとんどの地域は中央高地式気候である。北信地方の大半と、中信地方・東信地方の一部は 日本海側気候の特色を併せ持ち、中信地方の一部と南信地方は太平洋側気候の特色を併せ持つ。 降水量も地域差が大きく、県の東信から北信にかけては年間1000mm前後と少ないが、 中信から南信にかけては年間1500mmに達する。
北信地方、中信地方、東信地方の一部地域は豪雪地帯または特別豪雪地帯である。 県の南北で降雪条件が異なり、北部では西高東低の冬型、中部および南部は関東・東海地方で 雪を降らせる南岸低気圧が通過する際に大雪を降らせ、県内では「上雪(かみゆき)」と呼ばれている。 南信地方の伊那谷は飯田市の旧南信濃村地域を除き雪は少ないが寒暖の差が激しい。
★山梨県
中央高地式気候を呈しているが、山地によって隔てられる地域差も大きい。 盆地部には夏の暑さと冬の寒さがともに顕著で、冬の季節風(八ヶ岳おろし)が強いが 降雪は豪雪地帯の南アルプス市(旧芦安村)と早川町を除いてわずか。年間降水量が少なく日照時間が長く、 台風の通過経路でもありしばしば集中豪雨に見まわれる。山麓地域では盆地部より気温が冷涼で、降水量も多い。 このため、盆地周縁では冷涼な気候に向いた葡萄の栽培が盛んである。
植物相は盆地部で落葉広葉樹林、山岳部では亜高山・高山帯の植生。 また、富士川下流域の河内地方は温暖多雨であり太平洋側気候にかなり近く、潜在自然植生で常緑広葉樹林。
富士山の山頂は最暖月平均気温が6.0℃で気候区分ではツンドラ気候となっている。 また、清里のある八ヶ岳山麓、青木ヶ原樹海や富士五湖周辺の富士山北麓などの標高1,000mを超える 高原地域は亜寒帯湿潤気候()に属し、冬の寒さは非常に厳しく厳寒期には-20度を下回るが、 夏は冷涼で避暑地となるなど北海道並みの気候である。
★静岡県
全域が太平洋側気候であるが、標高差が大きいため地域による寒暖の差が激しい。 冬の平野部や沿岸部は黒潮の影響で本州の中でも非常に温暖であり、寒気の影響を受けにくいために 放射冷却によって朝晩は氷点下まで下がることがあっても、日中は10°Cを超えることがほとんどである。
特に伊豆地方の沿岸部では氷点下まで下がることはなく、雪が降ることもほとんどないなど、 南九州並みに温暖な気候である。一方、旧井川村と旧水窪町などの赤石山脈に接する北部山間部は 中央高地式気候の影響も受けており、冬は雪が多く豪雪地帯である。 また、東部内陸部の御殿場市などでも南岸低気圧によりかなりの積雪をもたらし、 東北地方並みのかなり厳しい冷え込みになることが多い。そのほか、裾野市にあるスキー場 「スノータウンイエティ」は16年連続で日本一早いオープンを飾っている。夏は、天竜地域など 西部内陸ではかなりの酷暑となるが、それ以外の地域ではそれほどの酷暑とはならず、 東部や伊豆地方を中心に比較的冷涼である。
気候区分によると県域の大部分は温暖湿潤気候ではあるが、富士山は最暖月の平均気温が6℃しかなく、 ツンドラ気候に相当している。
★岐阜県
飛騨地方の大部分と美濃地方の一部は日本海側気候、美濃地方の大部分は太平洋側気候、 飛騨地方・美濃地方の各一部は中央高地式気候となっており、標高差も大きいため同じ県内で あっても気候差が大きい。県内全域で内陸性気候をあわせ持ち、一部地域は豪雪地帯・特別豪雪地帯で たびたび大雪に見舞われる。標高の高い地帯の西側に当たる為に雨雲が発達しやすく、 年平均降水量は1700mm~2500mm程度と比較的多い。
冬は乾燥した晴天の日が多く、岐阜県西部では、伊吹おろしという乾燥した冷たい風が吹く。 このため体感温度が北日本並みに一気に低下する日もある。強い冬型の気圧配置になると雪雲が流入し、 岐阜県西部で局地的な大雪に見舞われることがある。
美濃地方は低い山に囲まれているということもあって、夏は暑く冬は寒いうえ、気温の日較差も大きい。 特に東濃の多治見市では、その年の国内最高気温を記録することもある(2007年(平成19年)8月16日、 埼玉県熊谷市と並び国内の過去最高気温となる40.9°Cを記録した)。 夏期には内陸性の気候に加え、ヒートアイランド現象、さらに西風が吹いた際には、 近畿地方の熱風が伊吹山系によりフェーン現象を起こしてさらに気温が上昇するため、高温を記録することが多い。
飛騨地方は標高も高いこともあり、気温は美濃地方と比べると低いが、高山盆地では夏期に猛暑日を 記録することもある。ただし、湿度が低いため比較的すごしやすい。冬期は内陸山間部では気温が低く、 特に高山市荘川町六厩(むまや)は、亜寒帯湿潤気候で本州では寒い地域の1つとも言われており、 1981年(昭和56年)2月28日には-25.4度を記録するなど-20°C以下まで下がる日も多い。
★愛知県
太平洋側気候を呈しており、夏は高温多湿で非常に蒸し暑い。冬は乾燥した晴天の日が多く、 伊吹おろしという乾燥した冷たい風が吹き、体感温度が北日本並みに一気に低下する日もある。 北西の季節風の影響があるため強い冬型の気圧配置になると雪雲が、岐阜県の関ヶ原付近から流入し 愛知県西部などで局地的な大雪に見舞われることがある。 また、東三河北部や西三河北東部の山間部では中央高地式気候の影響も多少みられる。
★石川県
石川県の気候は比較的日照時間の短い日本海側気候型である。その特徴は冬に顕著で、 北西からの季節風によって気温が低く雪の降る日が多くなる。地元でブリ起こしと呼ばれる冬の雷の発生数は 日本で一番多い。降雪と雷が同時に起こることは世界的にも珍しく、ノルウェー西海岸や アメリカの五大湖から東海岸にかけて見られる程度であるとされる。
発達した低気圧が日本海を通過するときに南東からの強い風が両白山地を越えてフェーン現象を起こすことがある。 また、同じ中部地方でも太平洋側の東海地方に比べて梅雨が顕著ではないという特徴がある。
★福井県
気候区分では県内全域が温暖湿潤気候であるが日本海側気候で豪雪地帯(一部特別豪雪地帯)に指定されている。特別豪雪地帯の大野市・勝山市・池田町・南越前町の旧今庄町は全国屈指の積雪量であり、年間の降水量は多い時に3000mm以上に達する。ただし、近年は暖冬傾向で、降水量は昔に比べ減少しつつある。 一方で、日本海沿岸部では対馬暖流の影響により、冬でも比較的暖かく、雪よりも雨の日が多い。このために、「弁当忘れても傘忘れるな」という天気の格言が存在する。福井市などは内陸に位置するため、沿岸部に面する新潟市や金沢市などよりは豪雪となりやすい。