関東地方の写真
エリア | 都道府県 |
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関東地方 |
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★群馬県
日本の気候区分では北毛が日本海側気候、吾妻郡と西毛が中央高地式気候、中毛と東毛が太平洋側気候であり、 標高差も大きいため他の関東地方の都県と比較して気候差が大きい。気象庁観測所の観測値に基づくと、 気候区分では、前橋、高崎、中之条、下仁田、神流、桐生などの県下主要都市を含む中南部地域の大部分が 温帯夏雨気候に類される。このほか、みなかみ町藤原において西岸海洋性気候、沼田とみなかみ町幸地、 館林において温暖湿潤気候、草津と嬬恋村田代において亜寒帯湿潤気候が見られる。
南北で気候の差が大きく、夏は前橋、伊勢崎、館林などを中心とした南部では熊谷など埼玉県北部と同様、 赤城山や秩父山地からのフェーン現象と東京都心のヒートアイランド現象によって発せられた熱風の影響で 猛暑日に達することがよくあり、40度前後まで上がることもあるなど日本でも有数の酷暑地帯となる。 館林は2010年から3年連続で猛暑日の年間日数の国内最多を記録している。対して北部は気温が低く、 上がっても30°Cを少し越える程度。特に標高1000mを超える草津などは真夏日はおろか、 夏日が観測されることさえ少ないほど冷涼であるなど、県内でも地域によって極端な差がみられる。 また、南部ではこの高温の影響により雷が多く上州名物として全国的に知られており、 また雷雲が北部山岳地から太平洋に抜ける通り道となっていることから、かみなり銀座とも呼ばれる。
冬は南部では他地域の関東平野と同様に乾燥した晴れの日が多く雪は少ないが、風が強い(赤城おろし)。 気温は晴れれば10°Cを越えることも多いが、関東地方の中では寒気の影響を受けやすいため 日中でも晴れても5度前後までしか上がらないこともある。また、内陸にあるため冬日は比較的多いが、 季節風が強いために、隣接する栃木県及びその東隣の茨城県に比べると朝晩の冷え込みは緩やかであり、 1月の最低平均気温は前橋が-0.8°C、伊勢崎が-0.6°Cと高く、南関東のさいたま市(-1.5°C)、 多摩地方の府中市(-0.9°C)、房総の佐倉(-2.0°C)よりも高く最低気温が下がりにくい。 真冬日はほとんどない。ただし、前述したとおり季節風が強いため、実際の気温よりも低く感じられることが多い。 北部は日本海からの雪雲の影響で雪が多く(みなかみ町藤原では2006年1月26日に301cmの積雪深を観測)、 豪雪地帯(片品村は関東地方唯一の特別豪雪地帯)に指定されている地域が多い。 気温も南部と比較すると夏同様に低く、冬日はほぼ毎日、真冬日もよく観測される。 また、標高が1000mを超える北東部の尾瀬周辺と西部の嬬恋村や長野原町の北軽井沢などは 特に、冷え込みが厳しく、放射冷却により時にマイナス20度以下まで冷え込むことがあるほどであるが、 みなかみ町などの北部と違って西部の高原地帯は比較的降雪量は少ない。
★栃木県
気候は太平洋側気候を呈し、山間部では冬季の降雪、また平地部では同じく冬季の乾燥と夏季の雷を特徴とする。全県で夏季多雨多湿、冬季少雨乾燥を呈し、年間降水量は山間部で多く奥日光では2,000mmを超すが、平地部では少なく県南部では1,200mm程度である。
栃木県は地理的に日本の太平洋側に位置し、その気候は全県下で太平洋側気候の特徴を呈する。県内各地の気象庁気象統計を見ると、県内全域が内陸部に位置することから内陸性気候(日較差大、年較差大)、また山岳部については山岳気候(冷涼)、より日本海に近い山間部では日本海側気候(冬に積雪)の特性を呈する地区もあるが、何れの地域も日本の太平洋側地域の共通の特徴である、夏多雨多湿、冬少雨乾燥(太平洋側気候)の特性が強く、周囲の山岳によって年間通して降水量が少なく低湿である中央高地式気候の特性は見られない。 気候区分では、おおむね平野部が温暖湿潤気候に属し、中北部が温帯夏雨気候、北部山地部が西岸海洋性気候、北西部山岳部が亜寒帯冬季少雨気候に属する。この北西部山岳部は豪雪地帯に指定されている地域もあるが、こうした地域でも夏季は高温多雨多湿となり植物が繁茂する。冬季に豪雪(積雪として30-70cm程度)となる山間部の通年居住人口は極めて少なく、住民の殆どは平野部に居住している。
栃木県の冬は、冬型の気圧配置が強まると「二荒おろし」や「男体おろし」や北東部では「那須おろし」などと呼ばれる非常に冷たく乾燥した強風、からっ風が吹き少雨低湿となる。このため冬は晴天となる日が多く、年間のうち日照時間が最も長い季節となっている。冬の晴天日には放射冷却の影響を強く受け、日の出前後に氷点下となり、温暖な県中南部の平地でも-5度を下回ることもある。一方、日中は晴れれば5 - 10度まで、暖かい日は平野部では15度程度まで上がることもあるなど、日較差が非常に大きい。
夏は、太平洋高気圧が吹き出す高温多湿な南風の影響を強く受け、全県下で高温多湿となる。この南風が山地部で積乱雲(雷雲)を発生させるため栃木県は雷が多い地域となっており、宇都宮では平均年間雷日数24.0日のうち夏季(5、6、7、8、9月)の雷日数が20日を越え、関東地方内では突出して多く、雷都と呼ばれる所以となっている。
★茨木県
太平洋側気候を呈し、冬季は少雨乾燥、夏季は多雨多湿となる。 また、太平洋沿岸部は海洋性気候、内陸部は内陸性気候となる。 全般に冬季は朝晩は沿岸部を除き放射冷却により気温が下がり、夏季は埼玉県に近接する 一部地域を除き北東気流の影響を受けやすく比較的冷涼である。豪雪地帯に指定されている地域は存在しないが、 南東部を除く地域、特に北西部山間部は南岸低気圧や北東気流の影響で局地的に大雪となることもある。
なお、豪雪地帯に指定されている地域を持たない県としては最北端に位置する。 北部沿岸部:北茨城市や日立市、高萩市などが該当。海に面するため県内では比較的温暖な地方であり、 日立の冬季の気温は北部にありながらも南部に位置する鹿嶋と共に県内で最も高く、 1月の平均最低気温は0.1°Cである。一方、夏季は冷涼であり、北茨城では8月の平均気温が23.5°Cと県内で最も低く、 年間通して海洋性の気候の特色が出ている。
★埼玉県
秩父地方は中央高地式気候、それ以外の地域は太平洋側気候である。 また、内陸県であるため、内陸性の気候も見られる。そのため冬季は全体的に冷え込みが厳しく、 東京特別区や横浜市、千葉市などとは異なり毎日のように氷点下を記録する地域が多い。 中でも秩父地方は特に冷え込みが厳しく、厳冬期は-10℃近くまで冷え込むこともある。
一方夏季は他県と比較して全体的に暑さが厳しく県内のほぼ全域で猛暑日がみられ、 熊谷や越谷などでは日本国内でも屈指の酷暑となり、40℃を超える気温も観測されている。 降水量は全般的に少ないが、特に冬季の降水量が非常に少ない。
★東京都
日本国内における気候区分では23区〜多摩東部及び伊豆諸島は太平洋側気候、 多摩西部などは中央高地式気候に属する。小笠原諸島は南日本気候である。 特徴としては、四季の変化が明瞭であり、天気が日によって変化しやすい。 夏季は高温・多雨となり、冬季は晴れて乾燥する日が多い。
春は、天気は周期変化で、晴れる日が多いが、発達した低気圧が通過して天気が崩れることもある。 寒冷渦の影響で雷雨になる時もある。梅雨の時季には梅雨前線に覆われ雨の降りやすい天気が続く。 前半は弱い雨が中心だが、後半は強い雨が降りやすい。まれに空梅雨の年もある。 夏は、太平洋高気圧に覆われて、晴れて湿度が高く暑い日が多く、雷雨も発生しやすい。 ただし年によってはオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨のぐずついた天気になる場合もある。
秋は、前半は秋雨前線の影響で雨が降りやすくなる。また台風が通過して暴風雨となることもある。 後半は天気は周期変化となり、晴れる日が多い。冬は、西高東低の冬型の気圧配置になりやすく、 晴れて空気が乾燥する日が多い。2月から3月にかけては南岸低気圧が通過しやすくなり、 都心では10cm程度の積雪となる。ただし、多摩地方では20cm以上の積雪となることも珍しくない。 雪が積もると交通機関の運行が乱れることもある。
★千葉県
半島に位置するうえ、平均標高も低いため全体的には年間通して温暖な気候で 全域が太平洋側気候に属する。しかし、一年中温暖な海洋性気候である南房総や北東部沿岸地域に対して、 下総台地などの内陸部は内陸性気候で冬の寒さはより厳しく、高い山地がないにもかかわらず 意外にも多様性に富んでいる。しかし、天気予報などで示される地点は、 気象台や旧測候所(現・特別地域気象観測所)のある銚子、千葉、勝浦、館山といずれも 海洋性の気候が強い地点のみであるため、県内内陸部の気温とは大きくかけ離れている点も少なくない。
関東地方の南東部に位置する県で、三方を海に囲まれ、県土の大部分が房総半島に含まれる。 起伏の少ない県であり、関東平野の一部である北部は、海岸(東京湾・太平洋)や 河川(利根川・江戸川など)沿いの低地と下総台地とからなる。 南部側は房総丘陵などの丘陵地帯だが、最高峰は標高408mの愛宕山であり、 全都道府県のうち最高峰(点)が最も低い。標高329mの鋸山や鹿野山など、観光地化されているところもある。
★神奈川県
太平洋側気候(但し相模原市のうち旧相模湖町・旧藤野町・旧津久井町地域は中央高地式気候に属する)で 太平洋側に位置するため、温暖であり、また雨量が多い。
京浜地区 - 川崎市から横須賀市にかけての沿岸地域が京浜地区に該当する。 この地域の気候は、特にヒートアイランドの影響を非常に強く受けている、横浜市は気象台が海のそばにあるため、 冬日にはほとんどならず、冬の最低気温は同じ横浜市内でも内陸部とは大きな差がある。 夏は暑く、熱帯夜が非常に多い。また、気温が高いために南岸低気圧による積雪も内陸よりは少ない。
湘南・三浦半島 - 湘南地域や三浦半島は海洋性の気候で温暖であり、霜が降りることも少ない。 夏も酷暑とはならずに、1年を通して温暖・温和な気候となっている。 三浦半島南端の三浦市は年間降水量が県内で最も少ない。 多摩丘陵・内陸平野部 - 東京の多摩地域とほぼ同じ気候であり、相模原市や厚木市の他、 横浜市や川崎市の内陸地域なども該当する。冬は寒く、冬日の数もかなり多くなる。 海老名市は1月の平均気温が県内のアメダス地点では最も低くなっており、平均最低気温が−0.7°Cと氷点下であり、 時に氷点下5°C以下まで下がる。しばしば南岸低気圧による大雪をもたらし、 1980年代以降でも30~40cm前後の積雪を記録したこともある。夏は日中かなり暑くなり猛暑日も多い。 人口枢密であるにも関わらず、この地域のアメダス気温観測地点は海老名しか存在しない。
西湘 - 相模川以西の小田原市、秦野市などの平野部は冬季は南岸低気圧が通過する場合も、 暖気を巻き込むことが多いために、雨や霙となる場合が多く、ほとんど積雪とはならない。 しかし、晴れた朝は冷え込むため京浜沿岸地区に比べても冬日の数は多い。また、夏は比較的過ごしやすい。 年間降水量も東部よりも多い。
相模山間部 - 山梨県に隣接する山間地域の相模原市緑区旧相模湖町、津久井町、藤野町域や箱根町などは 内陸性気候となり寒さは厳しい。夏は冷涼で避暑地となる。冬季の南岸低気圧により箱根や丹沢などの 山地ではかなりの積雪をもたらす。また、箱根火山付近を中心とする西部の山岳地帯で年間降水量が 県内最多の多雨地帯となり、東部に向かって年間降水量が減る傾向にある。